危険運転致死傷罪
危険運転致死傷罪(きけんうんてんちししょうざい)とは、自動車の危険な運転により人を死傷させてしまった際に適用される犯罪のことをいいます。近年飲酒運転やスピード違反による悪質で重大な交通事故が多発していることを受けて設けられました。また、この犯罪に規定されている重罰は、このような危険な運転をさせないという予防の観点からという意味と同時に被害者の感情に応えたものとも言われています。
危険運転致傷罪にあたる行為は具体的には以下の通りです。
①酩酊運転致死傷罪
アルコールや薬物の影響によって正常に運転することが困難であるにも関わらず、四輪以上の車を走行させて人を死傷させる罪のこと。
②制御困難運転致死傷罪
進行を制御することが困難な高速度で四輪以上の自動車を走行させ人を死傷させる罪のこと。
③未熟運転致死傷罪
進行を制御する技能を持たないにも関わらず人を死傷させる罪のこと。
④妨害運転致死傷罪
人や車の通行を妨害する目的で、進行中の人や車に著しく接近し、かつ重大な交通の危険を発生させる速度で四輪以上の自動車を運転し人を死傷させる罪のこと。
⑤信号無視運転致死傷罪
赤信号またはこれに相当する信号を無視し、かつ重大な危険を発生させる速度で四輪以上の自動車を運転し人を死傷させる罪のこと。
危険運転致死傷罪は刑法208条の2 1項2項に以下の通りに規定されています。
208条の2
1項「アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で四輪以上の自動車を走行させ、よって、人を負傷させた者は10年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処する。その進行を制御することが困難な高速度で、又はその進行を制御する技能を有しないで四輪以上の自動車を走行させ、よって人を死傷させた者も、同様とする。」
2項「人又は車の運転を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で四輪以上の自動車を運転し、よって人を死傷させた者も、前項と同様とする。赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で四輪以上の自動車を運転し、よって人を死傷させた者も、同様とする。」

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